制度史・明治
明治国家の制度設計
五箇条の御誓文から明治憲法まで、近代国家が制度として組み立てられた過程を学ぶ10問。
このページでは全10問を、解説と出典リンクつきで読めます。まず自分で答えを考えてから「答えと解説を見る」を開いてください。定説が分かれる論点は「条件付き」と明記し、論点メモを添えています。出題形式で解きたい方はWeb版アプリへ。出典の選び方は出典つきクイズの作り方をご覧ください。
Q1. 明治元年の五箇条の御誓文が示した新政府の基本方針として、もっとも近いものはどれ?
- A. 広く会議を興し、重要な政治を公論で決める方向
- B. すべての藩主に世襲支配を続けさせる方向
- C. 外国との交際を全面的に禁じる方向
- D. 武家諸法度を復活させる方向
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正解: A. 広く会議を興し、重要な政治を公論で決める方向
五箇条の御誓文は、明治新政府の基本方針を示したもの。代表的な一条に「広く会議を興し万機公論に決すべし」があり、のちの公議・議会論の出発点として読める。
出典: 五箇条の御誓文が発せられる(国立公文書館) / 五箇条の誓文/五箇条の御誓文(国立国会図書館国際子ども図書館)
Q2. 版籍奉還の「版」と「籍」は、何を指すと説明されている?
- A. 土地と人民
- B. 刀と城
- C. 税と軍隊
- D. 学校と役所
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正解: A. 土地と人民
国立公文書館は、版籍奉還を「版(土地)と籍(人民)を天皇へ返還すること」と説明している。藩主の支配をすぐ廃止したというより、中央集権化へ進む途中段階だった。
出典: 版籍奉還と廃藩置県(国立公文書館) / 廃藩置県が断行される(国立公文書館)
Q3. 1871年の廃藩置県で、旧藩主である藩知事はどう扱われた?
- A. すべて罷免され、東京に居住することを命じられた
- B. 全員がそのまま世襲の県知事になった
- C. 軍事権だけを残して地方支配を続けた
- D. 幕府の老中として再任された
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正解: A. すべて罷免され、東京に居住することを命じられた
廃藩置県では藩知事が罷免され、政府が任命する府知事・県知事が行政を担った。ここに、地方権力を中央政府の任命制へ置き換える狙いが見える。
出典: 版籍奉還と廃藩置県(国立公文書館) / 廃藩置県が断行される(国立公文書館)
Q4. 廃藩置県の直後、日本全国の府県はどのような数になった?
- A. 3府302県
- B. 1都1道2府43県
- C. 47都道府県
- D. 5畿7道
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正解: A. 3府302県
廃藩置県の直後は、藩をそのまま県に置き換えたため3府302県となった。その後、急速に統合が進む。現在の47都道府県をそのまま明治初期に当てはめないのがポイント。
出典: 版籍奉還と廃藩置県(国立公文書館) / 廃藩置県が断行される(国立公文書館)
Q5. 1873年の徴兵令で、満20歳男子について定められた中心的な仕組みはどれ?
- A. 徴兵検査を受け、合格者から抽選で常備軍に服する
- B. 武士身分だけが兵役に就く
- C. 農民は兵役から完全に除外される
- D. 海外留学経験者だけが徴兵される
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正解: A. 徴兵検査を受け、合格者から抽選で常備軍に服する
徴兵令は国民皆兵を原則とし、満20歳男子に徴兵検査を受けさせ、合格者の中から抽選で常備軍に服させる仕組みだった。
出典: 徴兵令が発せられる(国立公文書館) / 徴兵令並近衛兵編成兵額等伺(国立公文書館デジタルアーカイブ)
Q6. 徴兵令は国民皆兵を原則としたが、同時に存在した制度として正しいものはどれ?
- A. 官庁勤務者や官公立学校生徒、一家の主人、代人料納付者などの免除
- B. すべての男子に例外なく常備軍3年を義務づける制度
- C. 女性だけを兵籍に登録する制度
- D. 旧大名だけを徴兵する制度
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正解: A. 官庁勤務者や官公立学校生徒、一家の主人、代人料納付者などの免除
徴兵令は皆兵原則として語られやすいが、実際には免除規定も置かれた。国民国家化の理念と、当時の社会的条件の折り合いが見える部分。
出典: 徴兵令が発せられる(国立公文書館) / 徴兵令並近衛兵編成兵額等伺(国立公文書館デジタルアーカイブ)
Q7. 1873年の地租改正の骨子として正しいものはどれ?
- A. 地価の100分の3を地租とし、物納から金納へ改めた
- B. 米の収穫量に応じて毎年税率をゼロから決めた
- C. すべての土地税を廃止した
- D. 武士だけが地租を納める制度にした
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正解: A. 地価の100分の3を地租とし、物納から金納へ改めた
地租改正は、旧来の石高制にもとづく物納から、地価を基準にした金納へ変える大きな転換だった。国家財政を安定させる制度設計として重要。
出典: 地租改正条例が制定される(国立公文書館) / 地租改正方法伺(国立公文書館デジタルアーカイブ)
Q8. 1872年の学制は、最終的にどの国の制度を手本として制定されたと説明されている?
- A. フランス
- B. ロシア
- C. 清
- D. オランダ
Q9. 1874年の民撰議院設立建白書が批判した政治のあり方として、もっとも近いものはどれ?
- A. 一部高官による有司専制
- B. 普通選挙の実施
- C. 新聞の発行
- D. 地方議会の存在そのもの
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正解: A. 一部高官による有司専制
建白書は、政府の有司専制を批判し、民撰議院の設置を求めた。教科書では自由民権運動の一語で済まされがちだが、資料では政治参加の論理がはっきり見える。
出典: 民撰議院設立建白書を提出する(国立公文書館) / 民撰議院設立の建白(国立国会図書館)
Q10. 国会開設の勅諭と明治憲法制定過程について、正しい組み合わせはどれ?
- A. 1881年に1890年の国会開設が示され、伊藤博文らはプロイセン憲法などを参照した
- B. 1871年に普通選挙による国会がすぐ開かれ、憲法は議会だけで起草された
- C. 明治憲法はアメリカ独立宣言をそのまま翻訳したものだった
- D. 国会開設の勅諭は、国会を開かないことを宣言したものだった
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正解: A. 1881年に1890年の国会開設が示され、伊藤博文らはプロイセン憲法などを参照した
1881年の国会開設の勅諭は、1890年を期して国会を開くことを示した。明治憲法の起草では、伊藤博文らの欧州調査やプロイセン憲法参照が重要だった。
出典: 国会開設の勅諭が発せられる(国立公文書館) / 大日本帝国憲法の発布(国立公文書館) / 近代法制の整備と明治憲法の制定(国立国会図書館)
このテーマの主な出典
五箇条の御誓文が発せられる(国立公文書館)
五箇条の誓文/五箇条の御誓文(国立国会図書館国際子ども図書館)
版籍奉還と廃藩置県(国立公文書館)
廃藩置県が断行される(国立公文書館)
徴兵令が発せられる(国立公文書館)
徴兵令並近衛兵編成兵額等伺(国立公文書館デジタルアーカイブ)
地租改正条例が制定される(国立公文書館)
地租改正方法伺(国立公文書館デジタルアーカイブ)
学制の発布(国立公文書館)
学制(国立教育政策研究所教育図書館)
民撰議院設立建白書を提出する(国立公文書館)
民撰議院設立の建白(国立国会図書館)
国会開設の勅諭が発せられる(国立公文書館)
大日本帝国憲法の発布(国立公文書館)
近代法制の整備と明治憲法の制定(国立国会図書館)